2014年5月24日土曜日

雑記:アッセンブルマーセナリーズ裏話②

◎『コマンドミッション』について

◆成り立ち
 バトルコンソールを作るにあたり念頭にあったのが
 「ただ勝った負けたするだけのゲームにはしたくない」
 という点でした。せっかくみんなで一緒に遊ぶのだから
 同じ目的に向けて団結するのもいいものだなあ、なんて
 個人的には思うのです。

 それに、何度も戦いあった者同士が共闘する構図って
 定番の<燃える>シチュエーションですしね。

 そこで、バトルコンソールを使った共闘「も」できる
 単独のゲームとして並行して開発されたのが
 このコマンドミッションというわけです。
 (リリースは半年遅れでしたが)

◆成長するミッションデッキ
 ゲームの流れとしては、各プレイヤーは手番に
 <ミッションデッキ>から1枚ずつカードを引いて
 判定するという、これまたシンプルなもの。
 基本はバースト系カードゲームですね。

 各カードについてそれぞれ2~3通りの選択肢を
 用意し、「状況判断」の要素を組み込むことで
 「引き運だけが全て」になることを防いでいます。
 その上で、運に翻弄される遊びとして仕立てました。

 緻密な思考戦略で進めるゲームもカッコイイんですが
 「ままならない」状況に立ち向かうのも同じくらいに
 カッコイイんじゃないかと。

また、ゲームの進行によってミッションデッキが
 「成長する」のも本作の特徴の一つです。
 敵の警戒度がアップすると、デッキに敵機カードが
 追加されていき、ミッションの遂行がより困難に
 なっていきます。

 これに対し「攪乱行動」で敵の警戒度を下げたり
 ミッションカードを引く前に「陽動」を宣言することで、
 任務遂行をすっぱり諦め、代わりに複数の敵機を
 自分に引きつけて味方の行動を支援するという
 戦術も生まれます。

 ちなみにこのゲームは中村誠さんの手による
 超高難度の協力型ゲーム『はやぶさ君の冒険』から
 強烈なインパクトを受けたあとに製作を開始したため
 平素かんたんお手軽なぬるゲーばかりを作っている
 我が身を鼓舞して、だいぶ辛口に仕上がっています。

◆異なるミッション=異なるゲーム
 「ミッションごとに異なるルール」も、本作の大きな
 特徴の一つです。

 一例を挙げますと、<遂行(AC)メーター>の意味。
 ゲーム進行の主軸となる小目的は、ミッションデッキから
 <任務遂行>カードを引き当てて遂行(AC)メーターを
 上げること、なのですが、このメーターの意味するところが
 ミッションやその進行度によって大きく異なるのです。

 <ハンマーナックル作戦>においてACメーターは
 2つの機能を持ちます。まずゲーム前半戦である
 進行フェイズでは「新兵器の所在調査の進行度」を表し
 これを目標値まで上げることが勝利条件となります。
 勝利条件達成後、ゲーム後半戦の脱出フェイズでは
 一転、ACメーターは「安全圏までの距離」を表します。

 一方<ジェントルブリーズ作戦>ではACメーターは
 「革命を望む市民たちの希望」を表します。
 (そこには物理的な意味合いも精神的な意味合いも
  含むものと、このゲームに関して私は考えています)
 秘密警察からの弾圧によって各手番ごとに削られていく
 希望を、あらゆる手段で盛り立てることが主任務なのです。

 たとえば秘密警察に捕らえられた市民を救い出す
 といったアクションもあれば、食料や生活物資の支援を
 行ったり、ときには歌や踊りで勇気づけることさえある
 かもしれません。…このあたりはまあ、ご想像で。

 なぜこんなことになったのかというと
 本来は個別のタイトルとして開発を進めていたのですが
 それぞれに重複するカードを収録するのがもったいなく
 思えたので、エイヤひとつにまとめてしまえ!というわけです。

 できれば今後も使わないカードは重複させたくないので
 ミッションを追加するための何かしらの冴えたアイデアを
 ひねり出さねばならないのですが・・・。
 まあ、思いつかなければ重複もやむなしということで。

◆無機質なメカニズムに有機的なストーリーの種を
 ハンマーナックル作戦はAM02シリーズのチュートリアル的な
 位置づけでもあるので、ストーリー的にはだいぶシンプルな
 構成になっていますが、その分ジェントルブリーズ作戦の方は
 美味しいシチュエーションが生じる「可能性」をこれでもかと
 盛り込んであります。

 可能性とはどういうことか?秘密はジェントルブリーズ作戦の
 固有選択肢である「支援行動」にあります。
 ミッション中に変化するパラメーターのひとつ「抵抗値」と
 ダイスロールの結果をあわせて<支援行動結果表>を
 参照すると、様々な状況が展開されていきます。

 秘密警察の行動を察知して先手を打ったり、国外メディアに
 接触して「敵」の行動を牽制したり、囚われの<皇女>を
 救出したり…時には、勢いを得た市民たちが自からの手で
 王宮の奪還に成功し、革命に終止符を打つ!なんてことも。

 もちろん「種」はこれだけではありません。カードを引くたび
 行動を宣言するたび、ダイスを転がすたびにドラマが展開される
 可能性が生じているのです。
 (これはハンマーナックル作戦でも同じですね)

 このあたりが運ゲーにストーリーを乗せる最大のうま味では
 ないかと、個人的には思っております。

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