◆成り立ち
バトルコンソールを作るにあたり念頭にあったのが
「ただ勝った負けたするだけのゲームにはしたくない」
という点でした。せっかくみんなで一緒に遊ぶのだから
同じ目的に向けて団結するのもいいものだなあ、なんて
個人的には思うのです。
それに、何度も戦いあった者同士が共闘する構図って
定番の<燃える>シチュエーションですしね。
そこで、バトルコンソールを使った共闘「も」できる
単独のゲームとして並行して開発されたのが
このコマンドミッションというわけです。
(リリースは半年遅れでしたが)
◆成長するミッションデッキ
ゲームの流れとしては、各プレイヤーは手番に
<ミッションデッキ>から1枚ずつカードを引いて
判定するという、これまたシンプルなもの。
基本はバースト系カードゲームですね。
各カードについてそれぞれ2~3通りの選択肢を
用意し、「状況判断」の要素を組み込むことで
「引き運だけが全て」になることを防いでいます。
その上で、運に翻弄される遊びとして仕立てました。
緻密な思考戦略で進めるゲームもカッコイイんですが
「ままならない」状況に立ち向かうのも同じくらいに
カッコイイんじゃないかと。
「成長する」のも本作の特徴の一つです。
敵の警戒度がアップすると、デッキに敵機カードが
追加されていき、ミッションの遂行がより困難に
なっていきます。
これに対し「攪乱行動」で敵の警戒度を下げたり
ミッションカードを引く前に「陽動」を宣言することで、
任務遂行をすっぱり諦め、代わりに複数の敵機を
自分に引きつけて味方の行動を支援するという
戦術も生まれます。
ちなみにこのゲームは中村誠さんの手による
超高難度の協力型ゲーム『はやぶさ君の冒険』から
強烈なインパクトを受けたあとに製作を開始したため
平素かんたんお手軽なぬるゲーばかりを作っている
我が身を鼓舞して、だいぶ辛口に仕上がっています。
◆異なるミッション=異なるゲーム
「ミッションごとに異なるルール」も、本作の大きな
特徴の一つです。
一例を挙げますと、<遂行(AC)メーター>の意味。
ゲーム進行の主軸となる小目的は、ミッションデッキから
<任務遂行>カードを引き当てて遂行(AC)メーターを
上げること、なのですが、このメーターの意味するところが
ミッションやその進行度によって大きく異なるのです。
<ハンマーナックル作戦>においてACメーターは
2つの機能を持ちます。まずゲーム前半戦である
進行フェイズでは「新兵器の所在調査の進行度」を表し
これを目標値まで上げることが勝利条件となります。
勝利条件達成後、ゲーム後半戦の脱出フェイズでは
一転、ACメーターは「安全圏までの距離」を表します。
一方<ジェントルブリーズ作戦>ではACメーターは
「革命を望む市民たちの希望」を表します。
(そこには物理的な意味合いも精神的な意味合いも
含むものと、このゲームに関して私は考えています)
秘密警察からの弾圧によって各手番ごとに削られていく
希望を、あらゆる手段で盛り立てることが主任務なのです。
たとえば秘密警察に捕らえられた市民を救い出す
といったアクションもあれば、食料や生活物資の支援を
行ったり、ときには歌や踊りで勇気づけることさえある
かもしれません。…このあたりはまあ、ご想像で。
なぜこんなことになったのかというと
本来は個別のタイトルとして開発を進めていたのですが
それぞれに重複するカードを収録するのがもったいなく
思えたので、エイヤひとつにまとめてしまえ!というわけです。
できれば今後も使わないカードは重複させたくないので
ミッションを追加するための何かしらの冴えたアイデアを
ひねり出さねばならないのですが・・・。
まあ、思いつかなければ重複もやむなしということで。
◆無機質なメカニズムに有機的なストーリーの種を
ハンマーナックル作戦はAM02シリーズのチュートリアル的な
位置づけでもあるので、ストーリー的にはだいぶシンプルな
構成になっていますが、その分ジェントルブリーズ作戦の方は
美味しいシチュエーションが生じる「可能性」をこれでもかと
盛り込んであります。
可能性とはどういうことか?秘密はジェントルブリーズ作戦の
固有選択肢である「支援行動」にあります。
ミッション中に変化するパラメーターのひとつ「抵抗値」と
ダイスロールの結果をあわせて<支援行動結果表>を
参照すると、様々な状況が展開されていきます。
秘密警察の行動を察知して先手を打ったり、国外メディアに
接触して「敵」の行動を牽制したり、囚われの<皇女>を
救出したり…時には、勢いを得た市民たちが自からの手で
王宮の奪還に成功し、革命に終止符を打つ!なんてことも。
もちろん「種」はこれだけではありません。カードを引くたび
行動を宣言するたび、ダイスを転がすたびにドラマが展開される
可能性が生じているのです。
(これはハンマーナックル作戦でも同じですね)
このあたりが運ゲーにストーリーを乗せる最大のうま味では
ないかと、個人的には思っております。
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